暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス
──同じ頃。
みやびはぼーっと、道の端に座り込んで、ひとけない通りを眺めていた。
彼氏にフられ、バイトはクビにされ、事故で電車は止まっていて、挙げ句の果てに父親の借金発覚。
こんなことあっていいのかと思うくらいの不幸続き。
家に帰る気力も金もない。
開いてる店もこの辺りにはもうない。
おかげで雨宿りの場所もない。
ないもの尽くし。
みやびは力無く笑った。
人通りのない深夜の道路の片隅で、汚れた格好で雨に打たれ笑ってる、なんて、端から見れば、完全におかしい子だ。
それでも、他にどうしようもなかった。
と。
雨がやんだ。