暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス
「ふー……」
なんとか1枚片付けて、次のに取りかかろうと、みやびは振り返った。
そして気付いた。
自分を見下ろす男の存在に。
…………。
意味もなく見つめあうふたり。
数秒の沈黙。
「まさか」
みやびの呟きによって、それは壊された。
「思い出した? ……ハ、ギ、ちゃん」
「ぎゃああぁっ!」
みるみるうちに、血の気が引いていくような感覚の中、かろうじて皿は割ることなく、みやびはその場を駆け去ったのだった。
「何で逃げるかなぁ?」
あとに残された男はひとり、ため息とともに呟く。
だけど。
その瞳は、面白い玩具を見つけた子供のように、楽しそうにきらきらしていた。