暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス
「……あなた何者なんですか?」
何故か気になるからと、拾ってきてしまったけれど。
宏海はみやびのことを、何も知らない。
そのことに気付き、微かに胸が疼く。
だけどみやびは、やっぱりみやびでしかなくて。
「何者って、萩原みやびだって、もう名乗りましたよね?」
きょとんとした顔で、不思議そうに言われたら、なぜだか一気に脱力した。
「んで、どうして──」
「充様の、ことですか」
宏海により紡がれた名前に、一瞬身体を強ばらせ、それからみやびは頷いた。
「はい」
なぜみやびが彼と知り合いなのだろう、と、疑問は消えぬまま。
宏海は口を開いた。