暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス

「こちらでございます」


──かちゃり。

しばし歩いて、着いた屋敷の扉をそっと、幽かな音を立てて開くと、宏海はみやびを従えて、自室に向かった。

みやびは物珍しそうに、辺りを見回している。


「とりあえず、シャワーをお使いください、そのままでは風邪をひきますよ」

「あ、はぁい。すみません」

「服は、乾燥機に入れておけば、お風呂から上がる頃には乾くでしょう。替えがないのは我慢してください」

「分かりましたっ」


さっきまで自暴自棄だったとは思えないほど。

みやびはほっと息をつき、どことなく楽しげな足取りで風呂場に向かった。

だって、こんな屋敷の風呂場なんて、もう使えることなんかないだろうし!
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