暴走☆執事と炸裂ラヴァーデイス
優遇順位と過ぎる夜と
「わぁっ、すごっ! ここの部屋って、どれもこんな広いの?」
──ひとまず落ち着き、改めて部屋を見回して。
みやびは瞳を煌めかせ、頬を上気させながら言った。
頬が赤いのは、風呂上がりのせいかもしれないけど。
「いえ……このような部屋はここともうひと部屋だけです」
「えー、なんで?」
「もうひとつの方は、事情は分かりませんが。こちらは、……旦那様の逢い引き用の部屋、でしたから……」
だからあなたが騒いでも、防音されている故大丈夫なのです。……そう言いながら、宏海は目を伏せた。
聞いてはいけないことを聞いた気がして、みやびはちょっと気まずそうに視線を彷徨わせた。