机の中の恋
机の中の恋



あの日から、誉木の差し入れは毎日のように机に入っていた。


付き合ってた頃は木曜だけだったのにな。





「玖瑠、お前何組?」

「…俺はぁ、4組」



今日は、新学期のクラス発表の日だ。





あのれから、差し入れはあるものの

誉木と会話を交わすことはなかった。



弁当箱はいつも誉木の下駄箱にしまっていたから。






「はぁー、玖瑠以外知り合いいねぇー」

「俺もだよ」



常葉は俺の隣の席にどかっと座った。


そこ女子の席だぞ。



「関ヶ原くん、そこわたしの席なんですが…」


関ヶ原は常葉の苗字だが…



それを呼んだのは


「…誉木」


そう、誉木李だった。




「同じクラス…だったんですね」

「みたいだな」

「…あの……これ」



誉木はおずおずと弁当箱を差し出した。


「さんきゅ」




…別れてんのに

変な感じだなぁ。





俺達の学校は男女五十音順で席を決める。


ひだづきとほまれぎだったら

嫌でも席は隣になる。




席替えは学期ごとに一回だから、きついなぁ…。










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