机の中の恋




ある日の休み時間、僕は誉木を廊下で見つけ

声をかけた。



周りの奴らはぎょっとして誉木と僕を交互に見た。



当たり前だ。



学校一の不良が


恐らく、いや確実に学校一の美少女に話し掛けているのだから。




「どうしたんですか?摺月くん」


誉木はそんなことお構いなしに嬉しそうに尋ねてくる。



「…いや、土曜もし暇だったら…どっか行かねぇかなって…」

「…それは……デートのお誘い…ですか?」

「…う…ん、まぁ」

「嬉しいです!!」



誉木は、本当に嬉しそうに微笑んだ。





絵画の女神さまみたいな笑いかたをする奴なんだな…


なんて素で思ったりした。




「じゃあ土曜日、朝10時に駅前な」

「はいっ!」







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