机の中の恋
そして…
今日、約束の時間20分前に到着してる僕って…。
僕はほぼ一分置きに時計に目をやり、誉木の到着を待った。
僕が到着してから5分ほど経ったとき
「摺月くんっ」
まるでアニメのキャラクターを演じる声優みたいな声で名前を呼ばれた。
「…ごめんなさい…待った?」
「いや…今来たとこ」
こんな会話、ベタな少女マンガとドラマの中でしかないと思ってた。
それ以前にお互い予定の10分以上前に来てるのだから、誉木が謝る必要はない。
「よかった…じゃあ行きましょうか」
「おぉ、…っ!」
僕は改めて誉木の姿を見て、言葉を失った。
だって…
白…っ
真っ白なワンピースって…
完璧に僕のドツボだ。
「…似合ってんじゃん」
僕の言葉に、誉木は顔を真っ赤に染めた。
なぜかその様子に僕も恥ずかしくなって、ごまかすように歩き出した。
「…あの、摺月くん」
「ん?何だ?」
「…て…て……っ…手をっ…繋いでも…いいですか!?」
耳まで真っ赤になってる…。
相当頑張ったんだろうな。
「あぁ、いいぜ…」
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