【詩集】ナグリガキ
かんばす
まだボクが雲に乗れると信じていたころ
かけっこが嫌いだった
お昼寝が嫌いだった
お絵描きが嫌いだった
走っても遅い
じっとしていられない
うまく描けない
何よりも人と同じことをするのが嫌だった
だから 晴れた日には庭に出て
あお向けになる
ゆっくり游ぐ雲を見つけて
それをキャンバスに
指で心の絵をなぞる
誰にも描けない自分だけの
風景やヒーロー
そして夢
雲と一緒にどこまでも空の中でとび続ける