音色
第一章 優しい嘘



『司沙(つかさ)は将来、何になるの?』



『かしゅ』


『歌手?』


『うん、かしゅ。ぜったい、かしゅになるの』




『…そうか』




お父さんとお母さんの、優しい笑顔。



あのころの私は、


それが本物だって、信じてた。




お父さん、お母さん、





ごめんね。



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