音色
塾講師のバイトを終えた俺は、家に向かう地下鉄に乗り込んだ。
地下鉄で七つ先の駅から十分足らずで、現在自宅としている古いアパートに着く。
でも、実際には二駅目で降りてしまう。
今日はもう一つのバイトであり、趣味でもあり、一番楽しみでもある用があった。
カラン、と少し曇った小さな鐘の音とともに、木の扉から顔を出すと、店長とバイト仲間二人がいつもの顔で出迎えた。
「おはよう。今日も機嫌良さそうだな」
店長は毎回、たとえどんなに塞ぎ込んだ顔で来店しても、なぜか必ずこの言葉をかけてくる。
本当にへこんでいるときには腹が立つこともあるが、口癖のようなものだろうと、最近はあまり気にしていない。
しかし、実際今日の俺は機嫌が良かった。
地下鉄で七つ先の駅から十分足らずで、現在自宅としている古いアパートに着く。
でも、実際には二駅目で降りてしまう。
今日はもう一つのバイトであり、趣味でもあり、一番楽しみでもある用があった。
カラン、と少し曇った小さな鐘の音とともに、木の扉から顔を出すと、店長とバイト仲間二人がいつもの顔で出迎えた。
「おはよう。今日も機嫌良さそうだな」
店長は毎回、たとえどんなに塞ぎ込んだ顔で来店しても、なぜか必ずこの言葉をかけてくる。
本当にへこんでいるときには腹が立つこともあるが、口癖のようなものだろうと、最近はあまり気にしていない。
しかし、実際今日の俺は機嫌が良かった。