音色
塗り直されたばかりの、クリーム色の壁とくすんだ桃色の柱は、街灯で一面オレンジ色に染め上げられていた。
いかにも真新しいこの駅は、二年くらい前、近くに建てられた大きなスーパーのおかげで利用者数が膨れ上がったため、半年前まで改装工事をやっていた。
私がここへ通い始めたのは、工事が終わった夏休みのことだった。
本来色とりどりの街は、こんな物寂しげなオレンジと、温かくも陰鬱な紺に包まれていながら、むしろ昼間よりも明るく見える。
ここの人口は、昼夜であまり差がないから、街灯やネオンのうるさい夜のほうが賑やかなのだ。
スーパーはまだ開いている。
近くのカフェの大きな窓からは、二十代くらいのお姉さんたちが三、四人でテーブルを囲んでいるのが見える。
二車線道路の向こうには、焼鳥屋からにこやかに出てくるスーツ姿の男の人たち…。
もしかしたら、もう顔を覚えられていたりして。
いかにも真新しいこの駅は、二年くらい前、近くに建てられた大きなスーパーのおかげで利用者数が膨れ上がったため、半年前まで改装工事をやっていた。
私がここへ通い始めたのは、工事が終わった夏休みのことだった。
本来色とりどりの街は、こんな物寂しげなオレンジと、温かくも陰鬱な紺に包まれていながら、むしろ昼間よりも明るく見える。
ここの人口は、昼夜であまり差がないから、街灯やネオンのうるさい夜のほうが賑やかなのだ。
スーパーはまだ開いている。
近くのカフェの大きな窓からは、二十代くらいのお姉さんたちが三、四人でテーブルを囲んでいるのが見える。
二車線道路の向こうには、焼鳥屋からにこやかに出てくるスーツ姿の男の人たち…。
もしかしたら、もう顔を覚えられていたりして。