音色
第二章 ワガママ



冬になっても、相変わらずだった。




相変わらず模試を受けて、

相変わらず大学の話が出て、




それでも相変わらず、

私は歌い続けた。




晴れてもどこか曇りがちな季節は、淡く深い灰色を保ちながら、静かに過ぎていった。





三年生の春は、桜を前に咲き急ぐ。



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