音色

私はとっさに、その黒い腕をつかんだ。


ケースをベッドの上へ寝かせ、そっと蓋を開ける。

中にはギターが、いつもの顔で横たわっていた。


ごめんね…。

ほとんど無意識に、私はギターを取り出し、膝に座らせた。



悔しい。

寂しい。

もどかしい。


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