音色
第三章 夢と目標
すっかり緑に満たされた桜の木を横目に見ながら、私は自転車を走らせる。
爽やかな風が、少しだけ汗ばんだ背中を通り抜ける。
明るく春らしい空の下、小さな子どもたちが公園をかけ回り、そのお母さんたちは木陰で涼しげに語り合っていた。
子どもたちとお母さんは、同じ場所にいながら、それぞれの世界を楽しんでいるようだった。
「もう、五月かぁ」