音色

「……」


人の流れは、暖かい風が髪の先を柔らかく揺らす、そのわずかな間に途切れてしまった。


いい子なんかじゃない。

でも、悪い子にもなれない。


深い闇の中で力なく光る星のように、強い街灯に照らされては消え、それでもなお、そこにありつづける。


私は、どうしたいんだろう。


どうすればいいんだろう。



「…でもさ」

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