音色

「…歌いたい」

「ん?」

「ずっと、歌いたい。歌い続けたい」

「そっか」


翔平はにっこり笑って、レモンソーダを一口飲んでから、自分の黒い鞄を探り出した。


「はい」

取り出した白い半透明の小さな袋を、翔平はあたしに差し出した。

「何…?」

「あげる。ちょっとタイミング良すぎかもしれないけど」


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