音色


カーテンを開けると、すでに白くなった陽光が、まっすぐ私の目を差した。


シャツの上から薄いグレーのベストをかぶり、たくし上げた袖からのぞいた時計の針を確認する。


七時半――ちょっと危ないかも。



慌てて鞄を肩にかけ、部屋のドアノブをひねった。




デスクの上で、水色の小さな石がきらめいた。

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