音色



保健室の真っ白なベッドの上で目を覚ました彩の顔には、沈む直前の強い夕日の光が照りつけている。


「…司沙?」

「彩!大丈夫?」


ベッド脇のパイプ椅子に座る私の後ろ、扉の向こうからのぞき込んでいた愛菜が叫んだ。


「寝不足だってさ。勉強しすぎじゃないのぉ?」

姫乃も続ける。


「寝不足…」


彩は小さくため息をつきながらつぶやいた。


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