音色


「みんな、授業は?」

不思議そうな目で彩が尋ねる。

「もう終わったよ。ほら、荷物も持ってきたから」

私は彩のカバンを持ち上げて見せた。


「彩っ!今日は私たちが送るよ!一緒に帰ろ?」

「そうだね。一人じゃまた倒れたらいけないし。ね、長森」

姫乃が私の肩を叩く。


「…いいよ、私は大丈夫」


なぜか、私の顔をちらっと見ながら、彩は答えた。




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