意味するもの。その先にあるもの。




規則的な機械音。
機械に繋がれ部屋の片隅で時を刻む。
穏やかな表情で眠り続ける光一。
   
「光一。村上が来てくれてん。」

光一に話しかける剛。
現実から目を逸らす信五。
   
「こんな調子なんよ。ずっと眠り続けてるわ。」
「…。」

言葉に出来ない信五を横に淡々と話し出す。

   
「お前等ここによりつかへんもんな。」


窓を開けると
生暖かい風が病室へ注ぎこむ。
   
「それでも話には聞いていたやろ?」

頷く信五。

   
「そんな驚くなや。光一は目を覚ます。絶対な。」


固まったままの信五の頭をポンポンと軽く叩く。
   
「はい。俺等も待ってます。」

剛の目を力強く見つめる。




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