意味するもの。その先にあるもの。




街中離れた廃屋。
どんよりと湿った空気。
剥き出しの鉄骨に冷たさを感じさせるコンクリート。
捨てられた家具を破壊して暖を取る。



ここが行き場のない俺等の住処。
何をするにも自由。
周りの目なんて気にすることもない。
ただ寂しさを紛らわすかのように
自然に集まり出来た仲間。
気性も荒く自己中な奴等だけど
情厚い
絆根深い奴等やと
俺は想う。



赤く燃える炎が
暗い廃屋に明かりをもたらす。

「なぁ。横山。今日からここはお前が仕切れや。」

炎を見つめ低いトーンで語りかける剛。


「冗談やめてくださいよ。俺には無理ですよ。」


壊した家具を次々と炎へと放りこむ。

「冗談なんかやない。いろいろ俺なりに考えた答えや。」

真剣な表情。
裕の目をまっすぐ見つめる。


「光一さんのためですか?」


一瞬 顔をしかめるが
首を横に振る剛









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