意味するもの。その先にあるもの。
壊れた関係
闇に輝く月の光。
1つだけ明かりを灯す裸電球の下
くだらない話に花咲かせ馬鹿騒ぎする。
笑い声の絶えない部屋の片隅で一人壁にもたれ座る裕。
煙草を銜えライターを探す。
「探し物はこれやろ?」
持っているライターを投げる。
「わりぃな。」
ライターを受け取ると煙草に火をつける裕。
「何で一人だけここおるねん。みんな心配してるで。」
「何でやろう?せやけどええな。みんなの笑い声聞いてると。」
騒ぐ人群れに目を向ける。
「おやじくさいわ。」
口角をあげ笑うすばる。
「うるさい。」
照れ笑いを浮かべる顔の下 冷たく凍りついた目をする裕。
「何。二人で黄昏てん?」
みんなの輪からはずれ裕とすばるの元へ来る亮。
「黄昏てないわ。ましてやこいつとなんてややわ。」
隣に座る裕を指差すすばる。
「全否定やわ。」
裕の顔を見るとニィと口角をあげる。
「で、お前は逃げてきたんやろう?」
「バレました?バトンタッチですって。」
裕の言葉におどけてみせる亮。
「よっしゃあああ。俺が盛り上げてきますか。」
裕の横から気合を入れ立ち上がる。
「あいつアホやろう。」
立ち去るすばるの後ろ背中を指差す裕。
「人のこと言えないんちゃうん?」
「何がやな。俺をあんなアホと一緒にするなや。」
裕の言葉にお腹を抱え大笑いする亮。
「何?笑ってねん。気持ち悪い。」
冷ややかな目で亮を見る。
「すばるんこと言えひんって。裕も相当、変わってるから。」
相変わらずお腹を抱え笑う亮の声だけが
裕の耳へと届く。