意味するもの。その先にあるもの。
「じゃあ。何でですか?」
納得のいかない裕。
その声に振り向くすばると信五。
「裕。どうしたんや。」
「剛さんがここを俺に任せる言うんや。」
俯き噛み締める唇。
「任せるって剛さん抜けるってことですか?」
驚いた表情の信五。
すばると顔を合わせる。
「ああ。ここを横山に任せようと思うてる。」
落ち着きた口調で答える剛。
「何でですか?責任感じてはるんやないんですか?光一さんに責任感じてるんや。」
剛の目をまっすぐ見つめる。
「責任…。感じてない言うたら嘘になるかもしれへん…。ただ、あいつが目を覚ましたときに傍におりたいねん。傍についててあげたいんやなくて…俺があいつの傍におりたいねん。…今になってな。あいつが言うてた言葉の意味がわかった気がするや。よう言うてたやろ?
『意味のない喧嘩はするな』って。
お前等には光一のその言葉を受けづいてほしんや…。俺の勝手なんはわかってるつもりや。悪いとも思っとる…。せやけど俺の答えは変わらないひん。今日からここは横山に任せたい。」
力強い口調。
目には泪を溜め天井を見上げる。