意味するもの。その先にあるもの。
矛先
誰もいなくなった部屋。
普段の騒がしさは何処にもなく
壁もたれ座る隆平。
目は真っ赤に腫れ潤んだ瞳。
亮はライターの火をつけては消してと単純な動作を繰り返し落ち着きがない。
二人の間に会話もなく沈黙と言う重い空気が流れる。
バタバタバタ。
勢いよく走りこんでくるすばる。
険しい顔。
「ちょいとつき合ってや。」
乱暴な口調のすばる。
「どうしたん?」
ライターからすばるへと視線を変える亮。
「頼みたいことあるねん。」
表情一つ変えず答える。
「何やねん。顔怖いで。」
「俺が暴走しよったら止めてほしいんや。」
亮の言葉を無視し力強い口調で話す。
「どういうことや?」
今まで黙っていた隆平が腰を上げる。
「ついてこればわかるわ。」
部屋を出ようとするすばるの後ろを
慌てて追いかける亮と隆平。