意味するもの。その先にあるもの。




廃墟が並ぶ道。
太陽の光は高層ビルに遮られ日陰が続く。
人通りもなく静かな廃墟街。
   
「ほんまにつき合ってられんわ。」
「やられっぱなしって性に合わひん。」

乱暴の口調の忠義と博貴。
   
「せやけど言い過ぎてまったかも。」

聞こえるか聞こえないかの小さな声で呟く章大。   

バッシャン。
   
ガラスの割れる音。
鉄パイプを乱暴に振り上げ次々に窓を割っていく。
   
「あいつら何してんねん。」

博貴の視線の先には仁、淳之介、竜也の姿。

   
「お前ら何してんねん。」

三人の後姿に声をかける忠義。
  
「見ればわかるっしょ?」

微笑かける淳之介。
   
「あいかわらずここ弱いよね?」

頭を指さし挑発的な態度をとる竜也。
   
「喧嘩うってん。」
「やめとけや。」

睨み付ける博貴の腕を引っ張る章大。
   

「挑発はのらないんじゃなかった?」


不適に笑みをこぼす仁。
   
「そのつもりやったけど気がかわったわ。」

拳を握りしめる忠義。
   
「忠義。あかんで。」

止めようとする。
   

「今さら遅いんよ。」
「あかんって。GOサインはでてひん。」


飛び掛ろうとする博貴を必死でおさえる章大。
   
「何?お前ら横山の犬なん?」
「ご主人様の言うことは素直にきかないとね。」

仁の言葉に付け足すように竜也が挑発する。
   

「何やって。」


拳を握りしめる博貴。
宙に手を振りかざす。





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