意味するもの。その先にあるもの。
Pipipipipi…
携帯の鳴る音。
乱暴にポケットから携帯を取り出すすばる。
着信 博貴
「何やねん。頭下げる気にもなってん。」
怒りをあらわにするすばる。
「…しょ…章大が…。」
興奮し慌てた博貴の声が受話器越しに聞こえる。
「章大がどうしてん?はっきりしゃべれや。」
不安そうにすばるを見つめる亮と隆平。
「つれてかれた…。あいつらにつれてかれてん。」
「何やって?どういうことや。」
「どないしよう。どうないしたらええ?」
情けない声を出す博貴。
「裕には?裕には伝えたん?」
博貴とは違い冷静な口調のすばる。
「言ってない。あの後やったからどう伝えたらええかわかれひん。」
泣き言を漏らす博貴。
「何言うとるねん。今はそんなこと関係ない。もうええ。裕には俺が伝える。お前等は一度戻ってこいや。」
携帯を切るすばる。
「どうしてん?」
険しい顔ですばるに問いかける亮。
「章大がつれてかれたみたいやわ。」
「何やって?」
驚く隆平。
「話しはあいつら戻ってきてからや。まずは裕に電話や。」
携帯を握りしめるすばる。