意味するもの。その先にあるもの。
真実
流れていく雲。
カーテンを揺らす風。
お茶を入れる剛。
その様子を見つめる光一。
「まさか横山が次のキングやなんて思えひんかったわ。剛のことやから渋谷に任せるんちゃうかなって思っててん。」
場の空気を変えようと思ったことを口にする。
「実はな。渋谷に断られてん。『俺にはキングはむいてへん。それに俺は横山についていきたい』そう言われてん。笑っちゃうやろ?」
お茶を差し出す剛。
「俺なんかよりよう周りを見てるわ。」
しみじみと口にする剛。
「お前は周り見えてひんかったからな。尻拭いはずいぶんしたで。」
悪戯に笑う光一。
「そうやった?ええ意味でますっぐやってん。」
「よういうわ。」
苦笑いをこぼす。