意味するもの。その先にあるもの。





鈍い音が響く。
荒い呼吸。
口元から流れる血。
胸倉を掴み一方的に殴り続ける和也。
苦痛に顔を歪める裕。
   
「裕。」

叫ぶ博貴。
   
「やめろ。言うたやろ。手はだすなって。」   

その様子に今にでも割って入ろうとする博貴を止める信五。 
   
「せやけど…。」
「よう見とけや。お前等。」

目を伏せている章大や隆平に声をかけるすばる。
   
「お前もや。」

同じく目を伏せている雄一に怒鳴る亮。



   
「何で殴り返さない?」

息を荒げて怒鳴りつける和也。

   
「…終わりにしたいんや…。な…何もかも…。」

うっすら目をあけ答える裕。
   
「お前らしくねぇんだよ。」

裕の腹部へと足を埋める和也。
   
「うっ。」

声にならない呻き声。
苦痛に顔を歪める。
   

「やり返してこいよ。やり返してみろよ。」


鋭く冷め切った目。
挑発的な態度。
   
「…お…終わり…。意味のない喧嘩なんて俺でおしまいや。」
「何?聞こえねぇよ。ほら。やり返してみろよ。」

自分の頬を軽く叩き裕を挑発する和也。




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