意味するもの。その先にあるもの。
ガッシャン。
「イッ…。」
ナイフが手から落ちる。
後ろを振り向く智久。
「ぅぅうううわあああああ。」
鉄パイプを振り上げる雄一の姿。
「やめるんや。」
裕の言葉も耳にはいらない。
「あああああああ。」
何度も何度も智久の頭を殴りつける。
地面には真っ赤な湖。
やがて湖にはピクリとも動かない智久の姿。
その横には鉄パイプを握ったまま智久を見つめる雄一。
「ええか。よく聞くんや。」
雄一の手から鉄パイプを奪い取る裕。
「やったんはお前やない。俺や。ええな。」
雄一の目を真っ直ぐ見つめる。
「…僕が…。」
自分の両手を見つめる雄一。
「違う。俺や。智久を殺したんは俺や。ええな?ええな?」
雄一の両手を握る。
「お前やない。俺や。」
「…。」
戸惑う雄一。
「このことは俺とお前しかしらへん。せやから約束や。もう一度言うで。やったんは俺や。ええな?」
うなずく雄一。
雄一の頭を軽く叩く。
優しい笑みをこぼす裕。