意味するもの。その先にあるもの。
カツカツと階段を上がる光一。
扉を開ける。
眩しいくらいの光が階段へと差し込む。
「やっぱりここにおってん。」
フェンスにもたれかかり
煙草を吸っている裕に声をかける光一。
「お前いつまでそうしてる気なんや。」
光一を睨む裕。
「…。」
煙草を一口吸うと空へ向かい煙をはく。
「お前がそれでええならもう何も言わん。勝手にしたらええわ。せやけどそんな態度しっとたら誰もよってこへんで。」
裕の横、フェンス越しに外を見つめる光一。
「…そう簡単に信じられひん…。」
ボッソと呟く裕。
「信じられひんねん。人間は簡単に裏切るんや。」
フェンスを拳で殴りつける。
煙草が地面へと落ち風に吹かれ転がっていく。
「少なくても自分が相手のこと信じてひんかったら誰もお前のこと信じひんよ。そうやろ?人にしたことは自分に返ってくるねん。」
声をあらげる光一。
真っ直ぐ裕の瞳を見つめる。
「…。」
涙目。
声にならない声。