意味するもの。その先にあるもの。
「光一さんに会いたい。」
ゆっくりと口を動かす裕。
静まりかえる病室。
裕から視線をはずす。
「どうしてん?」
不安そうに剛の顔をのぞく裕。
「…光一さんは…。」
震えた声。
「光一ならおるで。お前の一番近くにな。」
信五の声を遮る剛の声。
息をのむ裕。
左目の包帯に触れる手。
「…う…嘘や…嘘や。」
絶叫する裕。
布団を握り締める。
「嘘やないねん。光一からのラストプレゼントや。」
目を伏せる剛。
「わぁぁぁああああああああ。」
錯乱状態に陥る裕。
「聞けや。横山。光一の最後の言葉やねん。“ラストプレゼント”その言葉の意味お前にはわかるやろ?あいつの想いお前には通じてるんやろ。…自分が死ぬ怖さより最後までお前の心配しててん…。俺等の心配してたんや。せやから大事にしろや。光一からもらったその命。」
堪えていた涙が溢れ出す。
頬をつたい落ちる涙。
ぐしょぐしょの顔でなき続ける裕。
剛や裕だけでなくその場にいる全てのメンバーも涙する。