兎は俺のモノⅡ
「くっそッ!」
俺は兎を探していた。
いつもいる図書室にはいないし
教室にもいないし…
その時、俺はレッスン室の前にいた。
どこからか聞いたことのある
歌声が聞こえてきた。
「兎…?」
声のする方に近づいて行くと
やはり兎の声だった。
また上手くなってやがる。
レッスン中はさすがに入れない俺は
しばらく聞いていた。
兎の声は奇麗で透き通っていた。
俺はカルメンを歌ったことを
思い出した。