兎は俺のモノⅡ
カルメン…。
「啓ぃ…緊張するよッ。」
俺たちは今舞台裏でスタンバイ
していた。
ドレスを着た兎が
行ったり来たりしていた。
「兎ぃ…じっとしてろ。」
「無理ッ!」
小声で兎が言った。
無理もないか…兎は初めての
舞台だからな。
それに、有名な人が来てるっぽいし。
兎が俺の前を通りすぎようとした時
「兎ッいつも通りに歌え。
お前は気取らなくても十分うまいんだから。
この俺が認めたぐらいだからな。
自信もて!」
兎の腕を掴んで引き寄せて
俺の胸の中にいる兎に囁いた。
「…ぅん。」
緊張か?照れてんのか?
兎の耳が赤くなっていた。