兎は俺のモノⅡ
「いだッ!」
兎は両手でおでこを抑えていた。
「兎…帰るか。」
でも兎はそぉ言うと
付いてくるのに付いてこなかった。
兎は下を向いて服の端をぎゅッと
握ったままだった。
「兎?」
俺はまた戻って聞いた。
「兎ッ?」
肩を揺らしても変化がなかった。
仕方なく下から覗くと
兎はぽろぽろ泣いていた。
「兎?どぉしたッ??」
そぉ言うと…
「啓…ヒック…無…ッ理
しない…っで…ヒック…。」
なんのことだかわかんなかった。
でもなんだか兎が泣いてもいいよって
言ってくれてるみたいで
俺の目から涙が流れた。
兎は俺の肩に手を回して
自分の方に引き寄せて俺の顔は兎の首もとにあった。
兎は俺の頭を優しく撫でて一緒に泣いた。
誰もいない廊下。
オレンジに染まる廊下。
二人の鳴き声が響いていた。