兎は俺のモノⅡ
<バタン>
アタシは空港に着いた。
手続きを済まして
搭乗まで少し時間があった。
椅子に座って
最後に啓に会いたかったなぁ
そぉ思っていると…
<ドカッ>
アタシの横に誰かが座った。
「なにしけた顔してんの?」
逢いたい…そんな願いが叶ったのか
横には学校にいるはずの啓が座っていた。
「啓…。啓ぃぃぃぃ!!」
アタシは啓に抱きついた。
「兎…泣くなッ。泣いたら
お前をあっちになんて
やりたくなくなっちまうだろぉが。」
ぎゅッと抱きしめて啓は言った。
《フランス…パリ行きの便…》
空港中に響き渡ったアナウンス。
「啓…アタシ行くね。
最後は笑って行きたかったけど
無理だった。」
無理に笑顔を作った。
「無理すんな。
辛かったらいつでも電話しろ。
いつでも俺はお前のそばにいるからな。」
「ありがと…じゃぁバイバイッ。」
前に進んだアタシ。
後ろには大好きな啓。
やばいッ。また泣きそぉ。
そんな時…
「兎藍ッ!!」