身長差15センチの関係 2
「では無礼な母親へも伝言だ。娘のことをどう考えるかは勝手だが、また面白がっておかしな噂を近所にながすな、と」

「はいはい」

咲木はカラカラと笑んで返事をした。

そして隣にいる高志に目を向け、
思い付いたことをそのまま言った。

「そうだ、高志くんにお兄さんとかいない?」

「え?」

「お兄さん、なるべく高志くん似で可愛いお兄さん希望だけど」

「いや、いないです」
「そっか、いないのか~、残念。いたら紹介してもらおうと思ったのに」

じーーっと高志を眺める咲木。

いろいろ頭の中で考えているような、いないような。

「じゃあ方向転換、高志くんが私と付き合うことにしよう」

「ぶはっ!」

テーブルの向こうで、弓倉がカップの中に吹き出した。
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