身長差15センチの関係 2
額を擦ってうなる高志。

「あまり、擦ると今度は別の跡が残るぞ」

と、弓倉は荷物を鞄の中に詰め込み立ち上がる。

「そういうことで今日は解散だ。戸締りをするから君は先に出て行け」

「えええっ」
「気をつけて帰るんだぞ」

「そんな、まだ時間はありますよ」
「うむ、これから用があってな。時間はないのだ」

「だったらそう言ってくれればいいのに」

何の為に高志は弓倉を待っていたのか?
これでは刺され損の上に、待ち損だ。

高志はちょっと拗ねモードに入って弓倉を見た。

「言おうと思ったが、私を待っている君というのが・・・・・・な、」

なにが、な、なのか。

そんな言葉の空気だけで高志を納得させようとする弓倉。

しかも不満げな高志に比べ、弓倉はけっこう堪能したぞという顔をしていた。
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