身長差15センチの関係 2
「痛っ」

もう一度聞こえる高志君の声。

「ごめんね、ハードルの棘だったみたい」

私は高志君に謝り、
指先を見ていた顔を上げた。

「あっ」

そこにあったのは当然、高志君の顔。
近い。

高志君は、

「ううん、大丈夫」

と言いいながら、
手指をまるめて、ふううっと息をふきかけて、

「あててて」

と、言ってしまい、

「あ、大丈夫」

と、わざわざ言いなおす。
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