身長差15センチの関係 2
「わっ」

驚いて高志が顔を上げると、
そのクラクションを鳴らした主は弓倉であった。

同じ交差点で信号待ちをしているところに並びあったらしい。

弓倉は、
窓の向こうから半眼で高志を見て、

信号がまだしばらく赤なのを確かめると、すーっとガラスの仕切りを下ろす。

「今日も寝坊か?あ、答えなくてもいい、見れば分かる。答える余裕があったら息を整えろ」

「・・・・・・は、はい」

ふはふあ深呼吸する高志。

「ついでに汗もふけ、ハンカチは持っているな」

「はい」

弓倉に言われるまま顔をふくと、
走り疲れてぼーーとした身体が少しだけしゃきりしてくる。

「うむ」

それを見て弓倉は頷いた。

そして、全て解決したようにそのままの表情で窓を上げていく。
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