身長差15センチの関係 2
「ちょ、ちょと先生っ」

その上がっていく窓に高志が言う。

「なんだ?乗せろというなら拒否だ」
「うっ」

すべてを先読みした弓倉の返答。

窓を上げる速度は変わらず、
閉めきられる寸前で追加の言葉が高志へ投げられる。

「ここから君の足では遅刻確定だ。ふらふらと走るぐらいなら安全に歩く、いいなっ」

青へと変わる信号。

最後の強い命令口調の『いいなっ』という言葉と、高志を残して、

弓倉の車は走り去っていった。
< 20 / 267 >

この作品をシェア

pagetop