身長差15センチの関係 2
口元に手を当てて息を吐いてみる。
鼻をくすぐるコーヒー色の息。

『そんな飲み方だと身体を壊しますよ』

高志の声が頭をめぐる。

その高志が、女生徒に告白をうける光景。

その後、姿を見せない高志。

現れない高志を待つ自分。

「……世の男は、こういうのも可愛いと言ってくれるか?」

弓倉は口に当てた手を見て、ひとり言った。

そして息を止め、勢いをつけてテーブルから立ちあがる。

んんっと背伸びをしながら、洗面台にむかう。
< 214 / 267 >

この作品をシェア

pagetop