身長差15センチの関係 2
消え入る声で弓倉に願う。

「怒ってもいいですけど、嫌いにはならないで……」

「馬鹿だな」

弓倉の手が身体に巻き付く。

あっと、声を出す間もなく高志は弓倉に抱きつかれた。

「先生?」

顔をあげて弓倉の顔を見ようとする高志の目を、弓倉は手のひらで覆い隠す。

「見るなと言っただろう」

見えない高志に弓倉からされる、深いキス。

高志の口の中に濃く苦いコーヒーの味が広がり、さらにそれを弓倉は重ねていく。
< 223 / 267 >

この作品をシェア

pagetop