身長差15センチの関係 2
弓倉がベルトを締め、キーを捻り、車を出す。

その操作を助手席から高志が真剣な目で見つめていた。

「見学は自由だが、君に運転を任せるにはだまだ時間が必要だぞ」

弓倉は緩やかにハンドルをまわし、駐車場の出口に向かいながら高志に言う。

「分かってます」

「ふふ、君が運転席に座れるようになったら大人しく横に座ってもいい。そこまで成長した君がまだ私を誘ってくれたらの話だけどな」

「先生こそ、ちゃんと誘われてくださいよ」

「不安なら神様にでもお願いしておけ」

それは出来ないと、胸の内に秘めておく高志。
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