身長差15センチの関係 2
「ほら」
「うっ」

非常に珍しい弓倉からの甘い誘いに、
高志の身体は、反射的に近づきかける。

だが、
それを踏みとどまって首を振った。

「そ、そんなのでごまかされませんからね」

「そうか」

すると弓倉はあっさりあきらめて、
手を降ろした。

「?」

意外な顔をする高志。
そこで逃げ足がとまる。

そこを狙って弓倉。

「では、やはり私が君に近づくことにしよう」

ずむずむと、
獲物を狙って一直線に進みだした。
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