身長差15センチの関係 2
たしかに弓倉の手は軽く乗せられているだけなので、簡単にふりほどける。

「えっと」

弓倉が見つめる下、
高志の顔はとまどいから困った顔になり、

弓倉の両方の手を交互に見て、
それからまた弓倉へ視線をあげた。

「逃げていいんですか?」
「いや、逃げるな」

「じゃあ、もうおかしな事しません?」
「する」

「じゃあ、逃げます」
「・・・・・・・・・・・・」

それには無返答の弓倉。

「・・・・・・えっと」
「どうした、逃げないのか?」

「もういいです。捕まってあげます」

と、
高志は逆に自分から弓倉にくっついた。

ぺたっとはりつき、腰に手をまわす。

「はい、好きなだけ変なことさせてあげます」

そして、言う。

「だから、そんな顔しなくてもいいです。先生」
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