身長差15センチの関係 2
「しかし、遅刻はともかく余裕のない状態でバタバタと公道を走るのは感心できん。毎年同じような状況で事故にあう生徒児童がいるのだぞ」

「はあ」

「とくに少年、今朝の君はかなり危なかしかった。今にも車道に飛び出してくるのではないかと思い、この車に乗れと本気で言いそうになったぞ」

「・・・・・・乗せてくれれば嬉しかったです」

「そういう訳にもいくまい。まあ、君以外の生徒がアレほどわたわたとしていたら分からんが」

さらっと言う弓倉。

「えええっ!」

高志が声をあげると、

「冗談だ」

やはりさらっと言った。

「残念ながら、今のところ私の助手席は君だけのものだ」
< 5 / 267 >

この作品をシェア

pagetop