身長差15センチの関係 2
「あっ」

その人は、声をあげて本を手で押さえようとしたが、本はそれよりも早く落ちる。

ぱしっ。
その本を横から見事にキャッチする高志。

弓倉らしい雰囲気からして、
なんとなくこんなことがあるのではないかと予想していたのだ。

「はい」

高志は、取った本を返そうとその人を見上げた。

「ああああっ」

そこに聞こえる、さらに大きな声。

それは丁度、
バランスを崩したその人の手から、

本の束が高志に向かって落ちてくる瞬間であった。
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