身長差15センチの関係 2
高志はそんなことを考えながら、目元にたまった涙を指で拭いた。

「痛い?怪我してない?」

高志のその涙を見てさらに心配するその人。

顔がより近づいて、高志の目の前にくる。

もし、これが弓倉本人だったらキスしてしまいそうな距離。

「ほ、本当に大丈夫ですっ、あたたっ」

高志はあわてて顔を離し、
反動で痛んだ頭をもう一度押さえた。

「頭をうったときは動いちゃダメ」

そんな高志を逃がさないように、その人がつかまえる。

抱きかかえる姿勢で高志を腕の中に収め、高志の頭に怪我がないか慎重に調べる。
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