身長差15センチの関係 2
いざとなったら妹を置いて逃げる。

それよりも、
その前に自分から高志を呼び止めて、
遠くへ放逐する。

声を出して呼び止めずとも、
高志にこちらを気づかせ、
有無を言わせず睨んで退散させる。

弓倉は幾つか対処方法を考えた。

すでに高志は、かなり妹に接近している。

どれを実行するにしても急がねばならない。

弓倉は本棚に隠れ、やはり本棚にかくれて妹を盗み見ている高志を観察。

どのような興味を惹かれたのか?
高志は真剣に妹の姿を見つめている。

いや、
真剣というよりも、その顔は。

「それは、私を見るときの顔じゃないか?少年」
< 81 / 267 >

この作品をシェア

pagetop